ホワイトニング後にズキッとする痛みの原因と対処法【歯科医師監修】

2025 4/18

2025年4月18日

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「ホワイトニングをしたら歯がズキズキ痛む」「冷たい飲み物を飲むとズキッとする」「ホワイトニングの痛みはどれくらい続くの？」

そんな疑問や不安をお持ちの方へ。この記事では、ホワイトニング後に感じるズキッとする痛みの原因と効果的な対処法について解説します。

痛みが生じる仕組み、痛みのタイプ別の対処法、痛みを予防するための方法まで、ホワイトニングの痛みに関する情報を分かりやすく説明するので、ぜひ最後まで読んでみてください！

ホワイトニング後にズキッとする痛みの仕組み

ホワイトニング後に感じる痛みには、科学的な理由があります。なぜ痛みを感じるのか、その仕組みについて解説します。

なぜホワイトニングで痛みが出るのか

ホワイトニングで使用される薬剤（過酸化水素や過酸化尿素）は、歯の表面のエナメル質を通過し、内部の象牙質に浸透します。そこで有機物と反応して歯を白くしますが、同時に歯の神経（歯髄）にも刺激を与えることがあります。

象牙質には微細な管（象牙細管）が無数に存在し、これが神経につながっています。ホワイトニング剤によってこの象牙細管が一時的に開きやすくなり、外部からの刺激（特に温度変化）が神経に伝わりやすくなることで、ズキッとした痛みを感じるのです。

これは「知覚過敏」と呼ばれる状態で、ホワイトニング後に最も多く見られる症状の一つです。

ホワイトニングでズキッとする痛みの種類

ホワイトニング後の痛みには、主に以下の3つのタイプがあります。

痛みのタイプ	特徴	主な原因
知覚過敏型	冷たいものや熱いものでズキッとする	象牙細管の開口による神経への刺激
持続的な鈍痛	ジワジワと痛み続ける	薬剤による歯髄への持続的な刺激
部分的な痛み	特定の歯だけがズキッとする	むし歯、歯のひび、露出した象牙質

最も多いのは知覚過敏型の痛みで、冷たい飲み物を飲んだときなど、温度変化に反応してズキッと痛みを感じます。これは一時的なものがほとんどですが、予防法や対処法を知っておくと安心です。

痛みが出るタイミングとは

ホワイトニングによる痛みが出るタイミングは、ホワイトニングの種類や個人の歯の状態によって異なります。

ホワイトニングの種類	痛みが出やすいタイミング
オフィスホワイトニング	施術中または施術直後から24時間以内
ホームホワイトニング	使用開始から2〜3日後
デュアルホワイトニング	オフィス施術後と初回ホーム使用時

オフィスホワイトニングは高濃度の薬剤を使用するため、施術中や直後に痛みを感じることが多いです。一方、ホームホワイトニングは低濃度ですが、長期間使用することで徐々に知覚過敏が現れる場合があります。

ズキッとする痛みの主な原因

ホワイトニング後にズキッとする痛みには、いくつかの原因があります。症状に合わせた対処をするためにも、原因を知ることが大切です。

知覚過敏が引き起こされた

最も一般的な原因は、ホワイトニング剤によって一時的に知覚過敏が引き起こされることです。

象牙質が露出している場合や、エナメル質が薄い場合は特に知覚過敏が起こりやすくなります。また、もともと知覚過敏の傾向がある方は、ホワイトニング後により強い症状が出ることがあります。

知覚過敏による痛みは、冷たいものや熱いもの、甘いものや酸っぱいものを摂取したときに特に強く感じます。

歯に問題がある場合

以下のような歯の問題がある場合、ホワイトニング後の痛みがより強く現れる可能性があります。

歯の問題	痛みの特徴
むし歯	特定の歯が持続的に痛む、甘いものでズキッとする
歯のひび	噛むとズキッとする、温度変化で痛む
エナメル質の摩耗	全体的に知覚過敏が強い
歯周病	歯茎の付け根が痛む、歯がグラグラする

これらの問題がある場合、ホワイトニング剤が傷ついた部分から内部に浸透し、より強い刺激を与えることがあります。ホワイトニング前に歯科検診を受け、これらの問題を解決しておくことが大切です。

薬剤濃度が高すぎる

ホワイトニング剤の濃度が高すぎる場合も、痛みの原因となります。

オフィスホワイトニングでは30%前後の過酸化水素が使用されることがありますが、これは非常に高濃度です。歯の状態によっては、これが強すぎる刺激となることがあります。

ホームホワイトニングでも、個人の歯の状態に合わない高濃度の薬剤を使用すると、知覚過敏や痛みのリスクが高まります。

歯茎への接触

ホワイトニング剤が歯茎に接触すると、歯茎が白くなったり、炎症を起こしたりすることがあります。

これによって歯茎が痛んだり、周囲の歯にも痛みが広がったりすることがあります。特にホームホワイトニングでは、マウスピースから薬剤が漏れ出して歯茎に触れやすくなります。

ズキッとする痛みへの効果的な対処法

ホワイトニング後にズキッとする痛みを感じた場合の対処法を紹介します。症状の程度に合わせて適切な方法を選びましょう。

刺激を避ける

まずは痛みを悪化させる刺激を避けることが大切です。

避けるべきもの	例
冷たいもの	冷たい飲み物、アイスクリーム、冷水でのうがい
熱いもの	熱い飲食物、熱い飲み物
甘いもの	砂糖たっぷりの食べ物、ジュース
酸性の食べ物・飲み物	柑橘類、酢の物、炭酸飲料

これらの刺激物を1〜2日避けるだけでも、症状が大幅に軽減することがあります。特に冷たいものは強い刺激となるため、室温の水を飲むようにしましょう。

知覚過敏用の歯磨き剤を使用する

知覚過敏用の歯磨き剤には、神経の感覚を鈍らせる成分が含まれています。

有効成分	働き
硝酸カリウム	神経の感受性を低下させる
フッ化物	エナメル質を強化し、象牙細管を封鎖する
アルギニン	象牙細管を塞いで刺激を遮断する

これらの成分を含む知覚過敏用の歯磨き剤を使用すると、1〜2週間程度で症状が改善することが多いです。ただし、効果が現れるまでには継続使用が必要です。

市販の鎮痛剤を服用する

痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を服用することも一つの方法です。

鎮痛剤の種類	特徴
イブプロフェン	抗炎症作用も期待できる
アセトアミノフェン	胃への負担が少ない

ただし、鎮痛剤はあくまで対症療法です。長期間服用を続けるのではなく、歯科医師に相談することをおすすめします。

リフレーナとリナメルの使用

歯科医院では、知覚過敏に対して「リフレーナ」や「リナメル」といった専用の薬剤を塗布することがあります。

これらは象牙細管を封鎖し、神経への刺激を遮断する効果があります。特に症状が強い場合や、長く続く場合には効果的です。

歯科医院を受診する

以下のような場合は、自己対処ではなく歯科医院を受診することをおすすめします。

痛みが強く、日常生活に支障がある
痛みが1週間以上続く
特定の歯だけが強く痛む
歯茎の腫れや出血を伴う

歯科医師は適切な診断と処置を行い、必要に応じて知覚過敏抑制剤の塗布や、他の治療を提案します。

痛みの持続期間と予防法

ホワイトニングによる痛みがどれくらい続くのか、また痛みを予防する方法について解説します。

ズキッとする痛みはどれくらい続く？

ホワイトニングによる知覚過敏や痛みの持続期間は以下の通りです。

症状の程度	持続期間の目安
軽度（軽いしみる感じ）	1〜2日程度
中度（ズキッとする痛み）	3日〜1週間程度
重度（強い痛み）	1週間〜2週間程度

多くの場合、痛みは徐々に軽減していきます。ただし、個人差があり、歯の状態によっては長引くこともあります。2週間以上痛みが続く場合は、歯科医院での診察をおすすめします。

痛くならないためのホワイトニング前の準備

ホワイトニングによる痛みを予防するためには、事前の準備が大切です。

準備内容	効果
歯科検診を受ける	むし歯や歯周病などの問題を事前に解決できる
クリーニングを受ける	歯の表面の汚れを除去し、均一な効果を得られる
知覚過敏の予防処置	知覚過敏用の歯磨き剤を事前に使用する
適切な濃度選択	個人の歯の状態に合った濃度を選ぶ

特に、もともと知覚過敏がある方や、歯が痛みやすい方は、ホワイトニング前に歯科医師に相談することをおすすめします。

痛みを軽減するホワイトニングの選び方

痛みのリスクを減らすホワイトニング方法の選び方について紹介します。

ホワイトニング方法	痛みのリスク	特徴
低濃度ホームホワイトニング	低〜中	時間はかかるが刺激が少ない
フッ素配合ホワイトニング	低	知覚過敏を予防する成分入り
LED光照射なしのホワイトニング	低〜中	熱刺激がないため痛みが少ない
知覚過敏抑制剤併用ホワイトニング	低	事前に知覚過敏を予防できる

特に痛みに敏感な方は、短期間で強い効果を求めるのではなく、低濃度の薬剤を使った緩やかなホワイトニングを選ぶことをおすすめします。

よくある質問と回答

ホワイトニングの痛みに関するよくある質問とその回答をまとめました。

ホワイトニング中にズキッとしたらどうする？

施術中に強い痛みを感じた場合は、我慢せずにすぐに歯科医師に伝えましょう。

オフィスホワイトニングの場合、薬剤を除去したり、照射を中断したりして対応できます。ホームホワイトニングでも、強い痛みを感じたらマウスピースを外し、水でうがいをして歯科医院に相談しましょう。

痛みが出やすい人の特徴は？

以下のような方は、ホワイトニングによる痛みが出やすい傾向があります。

もともと知覚過敏がある方
エナメル質が薄い方
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方
酸性食品をよく摂取する方
過去にホワイトニングで痛みを経験した方

これらに当てはまる方は、事前に歯科医師に相談し、適切な予防策を講じることをおすすめします。

オフィスとホーム、どちらが痛みが少ない？

一般的には、低濃度の薬剤を使用するホームホワイトニングの方が痛みは少ない傾向にあります。

ただし、ホームホワイトニングでも長期間使用することで知覚過敏が蓄積されることがあります。どちらが合うかは個人の歯の状態や生活スタイルによって異なるため、歯科医師と相談して決めるとよいでしょう。

薬剤の濃度と痛みの関係は？

薬剤の濃度が高いほど、痛みのリスクも高まる傾向があります。

薬剤の種類と濃度	痛みのリスク
過酸化水素30〜35%（オフィス）	高い
過酸化水素15〜20%（オフィス）	中〜高
過酸化尿素10〜15%（ホーム）	低〜中
過酸化尿素5〜7%（ホーム）	低い

濃度が高いほど効果は早く出ますが、その分痛みのリスクも高まります。無理に早く白くしようとせず、自分の歯の状態に合った濃度を選ぶことが大切です。