「ホワイトニングをしたいけど、痛いって聞いて不安…」「ホワイトニング中に痛みが出たらどうすればいいの?」「痛みはいつまで続くの?」
そんな疑問や不安を持つ方に向けて、この記事では歯科医師監修のもと、ホワイトニングの痛みについて詳しく解説します。
どのようなメカニズムで痛みが生じるのか、どのくらいの期間続くのか、そして痛みを軽減・予防するための具体的な方法まで、知っておきたい情報をすべて網羅しました。ぜひ参考にしてください。
ホワイトニングで痛みを感じる人と感じない人の違い
ホワイトニングを行ったとき、痛みを感じる人と感じない人がいます。これは個人差が大きく、約30〜40%の方が何らかの痛みを経験すると言われています。
それでは、どのような方が痛みを感じやすいのでしょうか?
ホワイトニングで痛みを感じやすい人の特徴
痛みを感じやすい方には、以下のような特徴があります。
- 知覚過敏の症状がある
- 冷たいものや熱いものでしみる感覚がある
- 歯と歯茎の境目が露出している
- 歯の状態に問題がある
- 虫歯がある
- 歯にひびや欠けがある
- エナメル質が薄い
- 歯周病の症状がある
- 歯茎が下がっている
- 歯がグラグラする
- 過去にホワイトニングで痛みを経験したことがある
逆に、上記の症状がない健康な歯の方は、痛みを感じにくい傾向があります。
ホワイトニングの種類による痛みの違い
ホワイトニングの方法によっても、痛みの出やすさは異なります。
ホワイトニングの種類 | 痛みの出やすさ | 特徴 |
---|---|---|
オフィスホワイトニング | ★★★ | 高濃度の薬剤を使用するため、一時的に強い痛みを感じることがある |
ホームホワイトニング | ★★ | 低濃度の薬剤を使用するため、比較的痛みは少ないが、長期間使用すると蓄積的に痛みが出ることもある |
市販のホワイトニング製品 | ★ | 極めて低濃度のため痛みは少ないが、効果も限定的 |
ホワイトニングはなぜ痛いのか?そのメカニズム
ホワイトニングで痛みを感じるメカニズムを理解することで、痛みへの対処法や予防策も見えてきます。なぜホワイトニングで痛みを感じるのか、詳しく解説します。
ホワイトニングで歯が痛くなる仕組み
ホワイトニングの痛みが生じる主なメカニズムは「象牙細管理論」と呼ばれるものです。
歯の内部には「象牙質」という組織があり、その中には「象牙細管」と呼ばれる微細な管が無数に存在しています。この管は神経に通じており、歯の表面のエナメル質が薄くなったり、象牙質が露出したりすると、外部からの刺激が神経に伝わりやすくなります。
ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素や過酸化尿素は、これらの象牙細管を通って神経を刺激し、痛みを引き起こします。
ホワイトニングで感じる痛みの種類
ホワイトニングで感じる痛みには、主に以下の2種類があります。
- 知覚過敏のような一過性の痛み
- 冷たいものや熱いものでしみるような痛み
- 施術中や施術後しばらくの間に感じる
- 一般的に数時間〜数日で収まることが多い
- 持続的なズキズキとした痛み
- 特定の歯に限局した痛み
- 虫歯や歯の亀裂などがある場合に起こりやすい
- 場合によっては歯科治療が必要になることもある
ホワイトニングで痛みを感じる5つの主要な原因
ホワイトニングによる痛みの原因は複数あります。どのような状況で痛みが出やすいのか、詳しく見ていきましょう。
原因1:知覚過敏がある
知覚過敏とは、歯が外部からの刺激に敏感に反応する状態のことです。冷たい飲み物や食べ物を摂取したときに「しみる」感覚があれば、知覚過敏の可能性があります。
知覚過敏がある方がホワイトニングを行うと、薬剤が象牙細管を通って神経を直接刺激するため、強い痛みを感じやすくなります。
原因2:虫歯が存在する
虫歯がある場合、その部分からホワイトニング剤が浸透しやすくなり、神経に直接刺激を与えることがあります。特に初期の虫歯は自覚症状が少ないため、気づかないうちにホワイトニングで痛みが出ることもあります。
原因3:歯にひびや欠けがある
歯にひびや欠けがあると、そこからホワイトニング剤が内部に入り込み、痛みを引き起こします。
見た目では分かりにくい小さなひびや欠けでも、ホワイトニング剤は浸透するため注意が必要です。
原因4:歯周病が進行している
歯周病によって歯茎が下がり、歯の根元が露出していると、そこからホワイトニング剤が浸透しやすくなります。歯の根元はエナメル質に覆われていないため、特に敏感に反応します。
原因5:ホワイトニング剤の濃度が高い
ホワイトニング剤の濃度が高いほど、効果が出やすい反面、痛みも生じやすくなります。特にオフィスホワイトニングでは高濃度の薬剤を使用するため、一時的に強い痛みを感じることがあります。
ホワイトニングの痛みはどのくらい続く?
「痛みがあったとしても、長く続かなければ我慢できる」という方も多いでしょう。ホワイトニングの痛みの持続時間について解説します。
痛みが出るタイミングと持続期間
ホワイトニングによる痛みのタイミングと持続期間は以下のように異なります。
オフィスホワイトニングの場合
- 痛みが出るタイミング:施術中〜施術後数時間以内
- 持続期間:多くの場合24〜48時間以内に収まる
- 痛みの強さ:一時的に強い痛みを感じることもあるが、急速に軽減していく
ホームホワイトニングの場合
- 痛みが出るタイミング:装着中〜装着後
- 持続期間:使用開始から2〜3日経つと慣れてくることが多い
- 痛みの強さ:比較的穏やかだが、長期間使用すると蓄積する可能性がある
心配しなくていいケースと歯科医院に相談すべきケース
多くの場合、ホワイトニングによる一時的な痛みは心配する必要はありません。しかし、以下のような場合は歯科医院に相談することをおすすめします。
心配しなくていいケース
- 施術後48時間以内に徐々に痛みが軽減していく
- 特定の刺激(冷たいものなど)でのみ痛みを感じる
- 鈍い痛みや軽いしみる感覚程度である
歯科医院に相談すべきケース
- 痛みが3日以上続く、または徐々に強くなる
- 特定の歯に強い痛みがある
- ズキズキとした自発痛がある(何もしていなくても痛む)
- 痛みとともに腫れや出血がある
ホワイトニングで痛みが出たときの7つの対処法
ホワイトニング中や後に痛みを感じた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。効果的な対処法を7つご紹介します。
対処法1:刺激物を避ける
痛みがある間は、以下のような刺激物を避けることで症状を和らげることができます。
- 冷たすぎる飲食物
- 熱すぎる飲食物
- 酸性の強い食べ物(柑橘類、酢の物など)
- 甘すぎる食べ物や飲み物
対処法2:知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
知覚過敏用の歯磨き粉には、象牙細管を塞いで神経への刺激を軽減する成分が含まれています。ホワイトニング前から使用を始めると予防効果もあります。
おすすめの知覚過敏用歯磨き粉としては、硝酸カリウムやフッ化物配合のものがあります。
対処法3:うがいや歯磨きをする
痛みを感じた場合、ぬるま湯でやさしくうがいをしたり、柔らかい歯ブラシで優しく歯磨きをすることで、歯の表面に残ったホワイトニング剤を洗い流し、痛みを軽減できることがあります。
対処法4:痛み止めを服用する
市販の鎮痛剤(イブプロフェンなど)を服用することで、一時的に痛みを抑えることができます。ただし、使用前に説明書をよく読み、用法・用量を守りましょう。
対処法5:フッ素配合のマウスウォッシュを使用する
フッ素には、エナメル質を強化し象牙細管を塞ぐ効果があります。フッ素配合のマウスウォッシュを使用することで、痛みを軽減できることがあります。
対処法6:ホワイトニングの頻度や時間を調整する
痛みが強い場合は、ホームホワイトニングの使用頻度や時間を減らしてみましょう。例えば、毎日から1日おきに変更したり、装着時間を短くしたりすることで、痛みが和らぐことがあります。
対処法7:歯科医院に相談する
痛みが強い場合や長く続く場合は、担当の歯科医師に相談しましょう。状況に応じて、濃度の低い薬剤への変更や、知覚過敏を抑える処置を行ってもらえます。
ホワイトニングの痛みを予防するための5つの方法
痛みが出る前に予防するのが一番です。ホワイトニングを始める前に試せる予防法をご紹介します。
予防法1:事前に歯科検診を受ける
ホワイトニングを始める前に、歯科検診を受けて虫歯や歯周病、歯のひびなどがないか確認しましょう。問題があれば先に治療することで、ホワイトニング時の痛みを予防できます。
予防法2:クリーニングを受ける
歯科医院でのクリーニングを受けて、歯の表面の汚れや歯石を除去しておくことで、ホワイトニング剤の浸透が均一になり、痛みのリスクが低減します。
予防法3:知覚過敏の治療を行う
知覚過敏がある場合は、ホワイトニング前に治療しておくことをおすすめします。歯科医院では、塗布剤やレーザー治療など、様々な知覚過敏治療が行われています。
予防法4:低濃度の薬剤から始める
特に初めてホワイトニングを行う場合は、低濃度の薬剤から始めることをおすすめします。徐々に濃度を上げていくことで、歯を順応させながら白くすることができます。
予防法5:デュアルホワイトニングを検討する
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせたデュアルホワイトニングは、それぞれの利点を活かしながら、痛みのリスクを低減できる方法です。専門家と相談して、自分に合った方法を選びましょう。
痛くないホワイトニング方法はある?
「痛みが心配だけど、白い歯になりたい」という方のために、比較的痛みの少ないホワイトニング方法をご紹介します。
低濃度ホームホワイトニング
歯科医院で作製した専用マウスピースに低濃度のジェルを入れて使用するホームホワイトニングは、高濃度のオフィスホワイトニングに比べて痛みが少ない傾向があります。時間はかかりますが、徐々に歯を白くしていくことができます。
最新技術のホワイトニング
最近では、痛みを軽減するための新しいホワイトニング技術も開発されています。例えば、特殊な光を使用して薬剤を活性化させる方法や、知覚過敏抑制剤を配合したホワイトニング剤などがあります。
具体的な例としては以下のようなものがあります。
- トランセントホワイトニング:独自の技術で痛みを抑え、従来の3〜5倍の効果が期待できるとされる新しい方法
- 知覚過敏抑制剤配合のホワイトニング剤:硝酸カリウムやフッ化物を配合し、痛みを抑えながらホワイトニングができる
痛みを感じにくい人の特徴
以下のような特徴がある方は、比較的痛みを感じにくい傾向があります。
- 虫歯や歯周病がない健康な歯を持つ
- 知覚過敏の症状がない
- 過去にホワイトニングで痛みを経験していない
- 若年層(歯の神経の感度が年齢とともに変化するため)
まとめ:ホワイトニングの痛みを恐れずに美しい歯を手に入れよう
ホワイトニングによる痛みは一時的なものであり、適切な対策を取ることで軽減できます。この記事で解説した内容をまとめると以下のようになります。
- ホワイトニングで痛みを感じる仕組み
- 薬剤が象牙細管を通って神経を刺激することで痛みが生じる
- 個人差があり、約30〜40%の方が何らかの痛みを経験する
- 痛みを感じやすい原因
- 知覚過敏がある
- 虫歯がある
- 歯にひびや欠けがある
- 歯周病が進行している
- 高濃度の薬剤を使用している
- 痛みの持続期間
- オフィスホワイトニング:24〜48時間以内に収まることが多い
- ホームホワイトニング:使用開始から2〜3日で慣れてくる
- 痛みへの対処法
- 刺激物を避ける
- 知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
- うがいや歯磨きをする
- 痛み止めを服用する
- フッ素配合のマウスウォッシュを使用する
- ホワイトニングの頻度や時間を調整する
- 歯科医院に相談する
- 痛みの予防法
- 事前に歯科検診を受ける
- クリーニングを受ける
- 知覚過敏の治療を行う
- 低濃度の薬剤から始める
- デュアルホワイトニングを検討する
ホワイトニングによる痛みを恐れて、白い歯を諦める必要はありません。事前の準備と適切なケアによって、痛みを最小限に抑えながら美しい歯を手に入れることができます。
まずは歯科医院での相談から始めてみましょう。あなたの歯の状態に合った最適なホワイトニング方法を提案してもらえるはずです。
【医師からのアドバイス】 「ホワイトニングの痛みは一時的なものであり、適切な方法で行えば問題ありません。不安な方は、まずは低濃度のホームホワイトニングから始めることをおすすめします。また、事前の歯科検診で潜在的な問題を見つけて治療しておくことが、痛みのない快適なホワイトニングへの第一歩です。」
より詳しい情報は、お近くの歯科医院に相談してみてください。